2014年06月12日

抗うつ薬によるうつ病の治療(3)

●●●抗うつ薬によるうつ病の治療(3)


精神疾患治療薬(7)「抗うつ薬(2)」三環系抗うつ薬


三環系抗うつ薬(さんかんけいこううつやく、英: Tricyclic Antidepressants, TCA)は、抗うつ薬の種類の一つ。

名称は、構造中にベンゼン環を両端に含む環状構造が3つあることを共通に特徴とする事に由来する。

第1世代、第2世代抗うつ薬とも分類される。

三環系抗うつ薬はノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質に関与する神経細胞受容体に作用し、遊離するノルアドレナリン、セロトニンを増やす(正確には神経細胞による再取り込みを阻害する)働きをする。

また、臨床効果が現れるのに飲み始めてから1〜2週間はかかるため、そのことに留意して服用する必要がある。

一般に、選択的作用が比較的低い。

副作用(主に口渇、便秘、排尿困難など)を伴う場合がある。

また、この排尿困難の副作用を逆手に取り、夜尿症の治療に三環系抗うつ薬を用いるケースもある。

他の抗うつ薬の分類として、四環系抗うつ薬(第2世代)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI、第3世代)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI、第4世代)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA) などがある。

これらは副作用は少ないものの、薬効は低くなる傾向にある(セロトニン選択性が高くなるかわりに抗ヒスタミン作用が低下し、不眠や鎮静への作用が減るなど)。

近年、これら以外の薬理作用を示す抗うつ剤(トリアゾロピリジン系など)も登場している。

緊急入院を要する重症例ではTCAが有効性に勝るのではないかと言う専門家の意見がある



●第1世代

塩酸アミトリプチリン (トリプタノール、ラントロン)

塩酸イミプラミン (イミドール、トフラニール)

塩酸クロミプラミン (アナフラニール)

マレイン酸トリミプラミン (スルモンチール)

塩酸ノルトリプチリン(ノリトレン)



●第2世代

アモキサピン (アモキサン)

塩酸ドスレピン (プロチアデン)

塩酸ロフェプラミン (アンプリット)



●アミトリプチリン

アミトリプチリン(Amitriptyline)は、抗うつ薬、睡眠導入剤として用いられる有機化合物の一種。

分子式は C20H23N。水、エタノール、酢酸に溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。苦く麻痺性がある。

脳内においてノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを抑制し、シナプス領域のモノアミンが増量することにより、抗うつ作用を示す。

三環系抗うつ薬の一種で、アミトリプチリン塩酸塩は、日医工よりトリプタノールR、山之内製薬(現在は、藤沢薬品工業を吸収合併したためアステラス製薬に改称)からラントロンR、沢井製薬からノーマルンRという商品名で発売されている。うつ病・うつ状態、不眠症、夜尿症の治療薬に使用される。適応症ではないが線維筋痛症にも用いられることがある。

トリプタノールについては後発医薬品が発売されているが、ラントロンおよびノーマルンについては、トリプタノールとは一部成分が異なることから、先発薬扱いとされており、この2社(アステラスのラントロン、沢井のノーマルン)に関する後発薬は特許期限が到達していないことから発売されていない。


抗コリン作用が強く、口渇・便秘・めまい・眠気・排尿障害などの三環系抗うつ薬にありがちな副作用が強く現れやすい。

ただ、効果も高いとされているので、他の抗うつ薬で思わしい効果が出ない場合に処方されやすい。

獣医学領域ではイヌの分離不安症の治療に使用される。

アミトリプチリンは、うつ病・不安障害・注意欠陥多動性障害・偏頭痛の予防・摂食障害・双極性障害・ポスト神経痛・不眠症などに用いられる。

アミトリプチリンの断薬は徐々に行う必要があり、それは全体で3ヶ月を超えてはいけない。(It should be gradually withdrawn at the end of the course, which overall should be of no more than three months)

ランダム化比較試験において、有痛性糖尿病性神経障害に対し、アミトリプチリン、デュロキセチンおよびプレガバリンの三者は同等の効果がみられた。

抗うつ作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、脳内におけるノルアドレナリンおよびセロトニン再取り込みを抑制する結果、シナプス領域にこれらモノアミン量が増量することにより、抗うつ作用を示すと考えられている。

アミトリプチリンは、ラット脳においてノルアドレナリンの再取り込み、およびマウス脳切片でのセロトニンの再取り込みを抑制することが確認されている。

また、レセルピン及びテトラベナジンに対する拮抗作用があり、アミトリプチリンはマウスにおいて、レセルピンによる体温降下、およびテトラベナジンによる鎮静作用を抑制する。

加えて、麻酔イヌにおけるノルアドレナリンの昇圧反応を、アミトリプチリンは増強する



●イミプラミン

イミプラミン (imipramine) は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C19H24N2。

塩酸塩は無臭で水に溶けやすい。第1世代の三環系抗うつ薬として知られ、うつ病、うつ状態、夜尿症の治療に用いられる。

イミプラミン塩酸塩は、アルフレッサファーマからトフラニール、田辺三菱製薬からイミドールなどの商品名で販売されている。

脳内神経末端へのノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、セロトニンの再取り込みを阻害する。

CYP1A2による脱メチル化を受け、活性代謝物のデシプラミンとなる。




●クロミプラミン

クロミプラミン(clomipramine)は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。

分子式は C19H23ClN2。

酢酸に極めて溶けやすく、酢酸エチル、ジエチルエーテルに溶けにくい。

塩酸塩は白色または微黄色結晶。融点192?196℃。

1960年代にスイスのガイギー社(現・ノバルティス)によって開発された。

脳内のセロトニンおよびノルアドレナリンの神経終末への取り込みを阻害する。

三環系抗うつ薬の一種で、アルフレッサファーマから塩酸塩が「アナフラニール」という商品名で発売されている。

うつ病・うつ状態、強迫性障害、夜尿症、不眠症の治療薬に使用される。

獣医学領域ではイヌの分離不安症の治療薬として使用される。




●ノルトリプチリン

ノルトリプチリン (nortriptyline) は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。

分子式は C19H21N。

CAS登録番号 は [72-69-5]。

無臭で水に不溶。第1世代の三環系抗うつ薬として知られ、うつ病、うつ状態などの治療に用いられる。

脳内神経末端へのノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、セロトニンの再取り込みを阻害する。

塩酸塩が、大日本住友製薬からノリトレンという商品名で販売されている。

作用機序として、ノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害し、シナプス間隙のノルアドレナリン量を増加させることにより、抗うつ作用を示すと考えられている。

ラット脳シナプトゾームにおいては、ノルアドレナリン、セロトニン、ドパミンいずれの再取り込みも阻害するが、特にノルアドレナリンに対して強い阻害作用を示す (in vitro)。

また、レセルピンによる体温下降作用に対し抑制作用を示す (マウス、腹腔内投与)。

二重盲検比較試験および一般臨床試験における有効性についての評価症例数は508例であり、 精神科領域におけるうつ病およびうつ状態疾患に対し、有効以上が52% (262/508)、やや有効以上が73% (372/508) であった。




●アモキサピン

アモキサピン (Amoxapine) は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。

分子式は C17H16ClN3O、CAS登録番号は [14028-44-5] で、白色または淡黄白色の結晶。無味で、無臭または特異臭。水にはほとんど不溶。

日本ではワイス(現ファイザー)製造販売元、武田薬品販売でアモキサンの商品名で唯一販売されている。

特許は切れているが、ジェネリックは発売されていない。

脳内神経末端へのノルアドレナリン、セロトニンの再取り込み阻害作用を有すが、活性代謝物である7-hydroxy体は強力なドパミン2受容体遮断作用をもつ。

この代謝物の作用により、抗精神病薬に類似した錐体外路症状(EPS)や悪性症候群が現れることがある。

第二世代の三環系抗うつ薬として知られ、抗コリン作用が軽減されている。

うつ病、抑うつ状態、パニック障害、過食症、線維筋痛症などの治療に用いられる。

従来の三環系抗うつ剤に対し、妄想性うつ病に効果発現が早いとされるが、一般的に効果の発現には2~3週間かかるとされる。

抗うつ作用はSSRIやSNRIと比較して強力とされるが、すぐに効果が現れないからといって服用を中止することなく、服用を継続したうえで治療効果について医師と相談していくべきである。また突然の服用中止は重大な副作用を誘発する危険性があるため、薬剤師による服薬指導を遵守すべきである。



以上

posted by ホーライ at 01:32| 北京 | うつ病の治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。