気分障害(きぶんしょうがい、英: mood disorder)は、気分に関する障害を持つ精神疾患の一群である。
世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)においては、カッコして感情障害と記述される。
ある程度の期間にわたって持続する気分(感情)の変調により、苦痛を感じたり、日常生活に著しい支障をきたしたりする状態のことをいう。
うつ病と双極性障害など広範囲な精神的疾病がこの名称にあてはまる。
精神疾患の主要な分類法であるICD-10とDSM-IVの両者において用いられている語であり、この2者間で細かい分類の仕方は異なるものの含まれる概念はほぼ同一である。
●気分障害の分類
●抑うつ性障害
大うつ病性障害(major depressive disorder)は、大うつ病、単極性うつ病、臨床的うつ病とも呼ばれる。
大うつ病性障害の患者は、1回またはそれ以上の大うつ病エピソードを経験する。
初回のエピソード後に、「大うつ病性障害(単一エピソード)」と診断される。
1回以上のエピソードを経験すると、診断は「大うつ病性障害(反復性)」となる。
躁状態の期間のないうつ病は、気分が低い側の「極」にとどまっており、双極性障害のように高く躁的な側の「極」に上がらないという意味で、「単極性」うつ病と記述されることがある。
大うつ病エピソードや大うつ病性障害の患者は自殺のリスクが高まる。
健康の専門家に援助や治療を求めることで、個人の自殺のリスクは劇的に減少する。
抑うつ的な友人や家族に対して、自殺に関する思考があるかどうかを質問することは、リスクの有無を明らかにするために効果的な方法であり、かつ自殺の念慮を「植え付け」たり何らかの方法で自殺のリスクを増してしまうこともない、と研究により示されている。
現時点では、ヨーロッパで行われた疫学的研究から、世界の人口の概ね8.5%がうつ病性障害であろうと示唆されている。
特定の年齢の集団がうつ病から免除されることはなさそうである。
母親から分離された生後6ヶ月の乳児にもうつ病が出現したという研究報告がある。
(続く)
【関連する記事】