2014年07月11日

不眠症について(3)

●不眠症について(3)


●不眠症の薬物療法

多くの不眠症者は、休息を得るのに睡眠薬や鎮静剤に頼っている。

多くの場所において不眠のケースの95%以上に処方されている。


成人において睡眠補助薬が処方されている比率は、年齢に伴って上昇する。

2005年から2010年の間では、アメリカの20歳以上の成人の約4%が過去30日の間に、処方の睡眠補助薬を服用していた。


処方薬を服用する替わりに、平均的な人々が短期的な助けを求め、ジフェンヒドラミンやドキシラミンのような一般用医薬品の抗ヒスタミン薬の服用によって緩和させる可能性があることを、いくつかの証拠が示している。


ベンゾジアゼピン系と、新しい非ベンゾジアゼピン系のような鎮静剤は、身体依存の原因となり、慎重に減量させていかないと離脱症状が現れることがある。

ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピンの睡眠薬には、日中の倦怠感や、自動車事故、認知機能の低下と転倒と骨折など、数々の副作用がある。

特に高齢者はこれらの副作用に敏感である。

非ベンゾジアゼピン系のゾルピデム(マイスリー)とザレプロンは、睡眠維持の有効性を十分に実証していない。

いくつかのベンゾジアゼピン系は、短期間において睡眠維持の有効性を実証しているが、長期的には耐性と依存症につながる。

不眠症のための既存の治療薬よりも、さらに有効で安全であることが証明された薬が開発中である。



体系的に比較すると、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系は、抗うつ薬より有意というわけではなく、同様の有効性である。

ベンゾジアゼピン系はより多くの薬物有害反応の傾向があり有意ではなかった。


不眠症のための睡眠薬の慢性的な使用者は、薬を服用しない慢性的な不眠症患者よりも睡眠がよくない。

実際に、慢性的な服薬者のほうが、服用しない不眠症患者よりも定期的な夜間覚醒が多い。

さらなる文献のレビューは、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系は、個人と公衆衛生に対して不当なリスクの原因となり、長期的な有効性の証拠がないと結論している。


そのリスクには、依存症や事故、その他の副作用が含まれる。

睡眠薬の長期的な使用者が徐々に中止することで、睡眠を悪化させることなく健康を改善することにつながる。

睡眠薬は最小有効量で数日に限って処方され、高齢者においては可能な限り避けるのが望ましい。


アルコールや睡眠薬は、長期的に服用してから突然やめると、著しい反跳性不眠のために当初の効果がなくなっても服用を続けることがあり、効果を補うため服用量を増やせば、反対に、日中への持ち越し効果により過度の眠気や集中力低下、発語の不明瞭、夕方の落ち着きのなさが生じることがある。

posted by ホーライ at 02:54| 北京 | 不眠症について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする