●不眠症の疫学
米国における医師110万人に対しての調査によれば、一日に7時間前後眠っている人が最も死亡率が低い。
6時間未満や8時間以上の睡眠のほうが、死亡率が高かった。
また一日に8.5時間以上の睡眠をとると、死亡率は15%増加していた。
また深刻な不眠(女性では3.5時間未満、男性では4.5時間未満)をもつ人も、死亡率は15%増加していた。
しかしこのような深刻な不眠においては、ほかに深刻な病気を抱えていると考えられている。
また、睡眠時間調整や不眠対処のため睡眠薬を使うことも、死亡率を上昇させるとされている。
最も死亡率の低いグループは、一日あたり6.5〜7.5時間の睡眠であった。
しかし一日4.5時間のみ眠るグループにおいても、死亡率はほんの少ししか上昇していない。
つまり多くの人々にとって中程度の不眠であれば寿命は延長され、重篤な不眠でも死亡率への影響はほんの僅かである。
また患者が睡眠薬を服用しない期間が長いほど、不眠に起因する死亡率上昇はほとんど見られなくなる、ただ寿命延長につなぐらかは分からない。
患者は不眠のことを心配し、また不眠は不快なこともあるが、しかし不眠自体は寿命延長と関連性があるとされている。
なぜ7.5時間以上の睡眠が死亡率増加につながるかは不明である。
不眠は女性のほうが男性よりも40%以上も一般的である。
以上