2014年07月02日

うつ病を治すための本★『うつと気分障害』

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。



うつ病を治すための本★『うつと気分障害』


自殺者が年間三万人を超え、うつの患者は百万人を突破。

サラリーマンの六割が強いストレスを感じ、潜在患者は三百万〜六百万人と推定される。

だが実は、うつと思われていた人の約半分が躁うつだとわかってきた。

今、うつと躁うつを含めた「気分障害」が激増しているのだ。

対人トラブル、異性問題、失職、借金、浪費、飲酒、DV......。

病気と知らず失敗を繰り返す人も多い。

気分の浮き沈みが激しい人、テンションが高く「絶好調」な人も危ないのだ。


本書では、うつと気分障害の基礎知識から最先端の研究成果、実際に役立つ予防や治療・克服法まで、わかりやすく解説。



うつに関する新書は数多あり、まさに玉石混淆である。

中には「駄本」というべきものも少なからずあるのだが、逆に名著といえるのは岩波明著『うつ病・まだ語られていない真実』や笠原嘉著『軽症うつ病』などであろう。

そして、本書もこれらと肩を並べるきわめて質の高い著作であることは間違いない。



著者は臨床医であり、研究者でもある。うつと気分障害、そして双極性障害について丁寧に解説していくが、その一言一言が、長年、患者と向き合い、治療を行ってきた医師としての重みがある。


最新の病理学、脳科学の知見を余すところなく用い、小説家として横溝賞まで受賞する筆力で読者に語りかける。

発病のメカニズムと脳内物質、治療薬の作用と副作用、一般に「新型うつ」と呼ばれる「非定型うつ」についてもふれていて、この一冊にうつに関して一般に知り得ることがほぼ詰め込まれている。



ちりばめられたコラムは、「あの人も」と思われるような有名人の闘病の様子が紹介されている。

中にはヘミングウェイや有島武郎のような悲劇的な例もあるが、ウォルト・ディズニー、ゲーテ、北杜夫、曽野綾子などの闘病の様子を紹介していて、同じ病に苦しむ人たちに共感をもたらすことだろう。


第7章の記述やこうしたコラムの最後に、マックス・ウェーバーの寛解への課程を紹介するあたりに、一人の医師としての、ヒューマニズムが現れているようで、さわやかな印象さえ与えられた。







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2014年06月12日

うつと不安の認知療法練習帳(ガイドブック)

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。

●うつと不安の認知療法練習帳(ガイドブック)

人間の感情や感じ方というのは、そのとき直面している問題や状況を、その人がどう捉え、どう考えるかによって大きく変わってくる。

したがって考え方を変えることによって、抱えている問題を乗り越えることは可能なのだ。

本書は、いまアメリカの心理療法の分野で大きな勢力をもち、日本でも急速に広まりつつある認知療法を、うつや不安のなどの症状を抱える一般の読者が、自分で使えるように工夫された練習帳である。


認知療法は、実際にノートに書き出すことが大切なのだと思います。

この練習帳は段階を追ってこれを実践できるようになっています。

思考・気分・行動・身体の関係を調べてみたり、気分を%で測ってみたり…目に見えないものを視覚化することによって、今までもやもやしていた自分象が見えるようになりました。

鬱は辛く苦しい病気だけれど、今では自分を真正面から見つめ直すという貴重な機会を与えられたのだと思っています。

この練習帳で身につけたことは今後の人生でもずっと役に立ってくれることと思います。



認知療法について、3人の主人公が持つそれぞれの悩みと回復の物語を通して、わかりやすく説明されている本です。

僕は自身の生活が本当に苦しい時に、この本やデビッド・D.バーンズ 氏の「いやな気分よ、さようなら」(こちらは、かなり分厚いです)などをよく読んでいました。

ただ、一口に認知療法と言っても、現在ではさまざまな方法や考え方に進歩してきているらしく、必ずしもこれらの本に出ているアプローチだけではないそうです。

いくつかの専門家の方のサイトでは「良い本ではあるものの決して万能ではなく、やはり専門家のアドバイスに従って、人それぞれの症状にあわせたステップを踏むべきだ」といったコメントが載せられていました。

実際のところ、個人的にはこれらの本にずいぶんと助けてもらい、出会えたからこそ何とか乗りこえてこれた…と本当に感謝しているのですが、僕の周囲の人で同じように「悩みを抱えている人」には薦めましたが、受け入れられてもらえなかったのも事実です。

この本のやり方がその人にあっているかどうかだけではなく、本を読む行為そのものが、そういう心理状態の場合簡単ではないことも多いのかもしれません。



この本の通りに進めば、患者さんが一人でも認知療法をしていくことができる本。

専門家向けではないだけに、専門用語は日常用語に置き換えられ、シンプルですっきりと分かりやすく書かれている。

説明文も簡単なので、一般の人が読んでもほぼ100%理解することが可能。

値段も安めなので、うつや不安で困っている人は是非一度読んでみると良いだろう。









J
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2014年05月30日

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『はじめての認知療法』

はじめての認知療法 (講談社現代新書) 大野 裕

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『はじめての認知療法』

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。

うつ・不安が軽くなる、こころが晴れるメソッドとは?

第一人者による認知療法入門書が登場!

「うつ状態になると、私たちは、何事も悲観的に考えるようになり、本来の自分の力を発揮できなくなります。

意識しないうちに、悲観的な自分の世界に入り込んでしまっています。

認知療法では、そうした悲観的な自分の世界から少し顔を上げて、現実に目を向けながら新しい考え方ができるように手助けしていきます」──本書より



自分の「こころのクセ」を知る。

気分と行動の悪循環から抜け出す。

呼吸法、睡眠法で身体をリラックスさせる。

―認知療法への待望の入門書。


認知療法を始めて1年半になります。

この間、いろい露な本を読み認知療法についてはだれよりもわかっているつもりでしたが、この本に出会って、改めてわかりました。

一応、入門編なんですけど、その域を超えて、鬱の人も、鬱でない人も読んでためになる本です。

ホントにお勧めです。

私は、アーロン・T・ベック先生、デビット・D・バーンズ先生の本を何回も読んで実践してきましたが、この800円くらいの大野裕先生の本が一番役に立ちました。




日本における「認知療法」の第一人者である大野先生の本です。

うつ病などの精神疾患に対して「認知療法(Cognitive Therapy)」がどのように適用されるのかを分かりやすく解説している、「認知療法」の入門書です。

200頁ほどで簡潔に、具体例を交えて分かりやすく書かれているので、私は、2日間で一気に読み終えてしまいました。

昔、本で読んで共感した「論理療法」に近いものだったので、個人的には素直に受け入れられました。

例えば、

同じ「事実」でも、人によって、そしてそのときの気持ちの状態によって違った形で解釈されることがあり、それに応じて、落ち込んだり不安になったり腹が立ったりという、違った気持ちになっていることがわかります。

自分が見ている「事実」が客観的な「真実」と違うからです。(この考え方は、認知療法においては重要なポイントだと思います…)

とか

問題を絞り込んだ後は、その問題に対してできるだけ多くの解決策を考えてください。

これを「数の法則」と呼びますが、多く考えれば考えるほど、解決につながる方法が含まれる可能性が高くなります。

そのときに、ばかばかしいと思うものも却下せず、とにかく多くの解決法を考えていくことが大事です。

とか



一度自分の頭を問題から解放して自由にすると、しばらくたって思いがけない解決策が頭に浮かぶことがあります。

私たちの頭には、そうした潜在能力があるのです。

といった考え方には、とても共感しました。

最新のビジネス書(洋書)においても、このような考え方が多く取り上げられていますので、精神疾患の治療法としてだけではなく、日常生活においても大いに活用できる考え方なのだと思います。そういった意味で、多くの人に読んでいただきたい本だと思いました。








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2014年05月23日

鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳』

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳』 大野 裕著

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。



2010年1月15日 朝日新聞朝刊に「自分で学べる認知行動療法の本」として紹介されています。


本書は一般の人たちが認知療法を使ってストレスフルな人生を自分らしく幸せに生きていくことができるように工夫されたセルフワークブックである。

コンパクトなつくりで図表やイラストを多用し、分かりやすさに重点を置く。

認知療法を手軽に学びたいと思っている人たちにも役立つハンディで便利な一冊。



気持ちが沈んだり、ちょっと不安になったり、人間関係に悩んだり、自分を変えたいと思ったり…このノートはそんなあなたのやさしい味方です。

毎日すこしずつ読んですこしずつ書き込んでいくうちにあなたのものの見かたや考えかたが変わり、憂うつな気分や不安がしだいにほぐれていきます。



認知療法の本がずいぶん増えた。

分厚い本、小さな本、いろいろあるけど、第一選択は実はこの本だと思う。

まず薄い。そして字も少ない。そのくせ盛り込まれている技法はかなり多い。

そしてすぐに使える(コピーすれば何度でも使える)穴埋め式のチャートやコラム法の様式がてんこもりである。

いろいろ読んだけど、結局これをコピーして使うのが一番楽だった。

楽であればこそ、認知療法は始められるし、続けられる。



認知療法は本来うつ病やパニック障害に有効な治療法として有名なようですが、私自身の場合はマイナス思考にとらわれる考え方を少しづつ変えたくてこの本を手にしました。

書き込み式になっているのですが直接書くのがもったいなくて新たにノートを準備して日記代わりに自分の感情を分析しています。


本そのものも、字数が多くなく負担になりませんでした。

怒り、不安、悲しみ・・・・

文章にするといかにそういう感情にとらわれていたのかとてもよく分かります。

たとえばストレスが溜まったら日記をつけて思いっきり人の文句などを書きまくってる女性は多いと思うのですが(!?)一時的に気持ちはすっきりしても元になっている発想を転換していかない限りなかなか生きづらいと思うんです。

そんなときにこの本は力になってくれると思いますよ。



認知療法の解説本を数冊読んで見ましたが、その中ではこの本はページ数も少なく専門用語も使われておらず、読みやすい本だと思います。

認知療法全体的に言えることだと思いますが、認知療法を解説している本を使用して認知療法を自分1人で行えるのは、うつ病がかなり回復した状態、または、完治した人が再発予防のために使用できるのだと思います。

中度のうつ病の方は、患者さん1人で認知療法を始めるのは、ちょっとリスクを伴うと思います。

認知療法を行うことによって、逆に気持ちが落ち込んだりする恐れがあると思います。

もし、認知療法を試みてみたいと言う事であれば、主治医に相談してからの方が良いと思います。

更に重度のうつ病の方は、この様な解説本は見る気もしないのではないでしょうか。

もし、認知療法を試みるのであれば、患者さんが主体になるのではなく、主治医やカウンセラーが主体となって行う必要があると思います。



認知療法についての解説本は、書店へ行けば様々なものがりますが、結局、基礎になる考え方や治療で使用するワークノートは、同じようなものです。

認知療法は継続してこそ効果が出てくるのだと思います。






ラベル:認知行動療法
posted by ホーライ at 05:58| 北京 | うつ病を治すための本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『うつのセルフ・コントロール』

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。『うつのセルフ・コントロール』 ピーター・M. レウィンソン著

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。

悲観的になり、悪循環から抜け出すためには自己管理が必要。

そんな思いから、この本を図書館の蔵書から検索して借りました。


アメリカの先生が20年前に書いた本の翻訳なのですが、現代の日本の文化でも十分通用する内容で、翻訳本と思えないぐらい、日本語訳がこなれています。


感情、試行、行動の関係を説いた「社会学習理論」も理解しやすく、豊富な具体例と、実践的な処方箋が与えられていて、最低でも、立ち直るきっかけになると思います。


一人で悩んでいる方には、ぜひお勧めします。つらい時に、期待以上の内容に巡り合えるでしょう。



最近うつ気味なので、図書館でたまたまこの本を借りてよんだところ、翻訳にもかかわらず、熊谷久代さんの翻訳が極めてすばらしく、まるで最初から練達の人が日本語で書いたかのような読みやすさでした。

外国の翻訳の場合、ひどい翻訳に辟易してしまい、投げ出してしまう事が最近多かったのですが、熊谷さんは最高の翻訳をしてくれました。

深く感謝します。

この本の内容は、うつの克服に有益な教えに満ちており、絶対おすすめです。










posted by ホーライ at 03:45| 北京 | うつ病を治すための本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月22日

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。(8)『うつと不安の認知療法練習帳』大野 裕ら訳

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。


人間の感情や感じ方というのは、そのとき直面している問題や状況を、その人がどう捉え、どう考えるかによって大きく変わってくる。

したがって考え方を変えることによって、抱えている問題を乗り越えることは可能なのだ。

本書は、いまアメリカの心理療法の分野で大きな勢力をもち、日本でも急速に広まりつつある認知療法を、うつや不安のなどの症状を抱える一般の読者が、自分で使えるように工夫された練習帳である。


うつ状態や不安である人は、現実を、ありのままの現実よりも悲観的に・破局的に捉えてしまい、苦しみます。認知療法では、その悲観的・破局的なものの捉えかたを修正して患者の気分を楽にすることが目的です(決してネガティブシンキングをポジティブに変えるわけではありません)。



本書では、悲観的な見方を裏付ける根拠と、逆に悲観的な見方を否定する根拠(=反証)を見つけて集める方法を紹介しています。

例えば、ヒゲが濃いことで悩んでいる高校生が、

・悲観的な思考:ヒゲが濃くて恥ずかしい。学校でも同級生の視線が気になってしまう。

・根拠      :実際にヒゲが濃い。男子からもそのことで冷やかされる

・反証      :一部の女子からは「男らしい、ワイルド」と言ってもらえた。



上記のように、(パッと脳裏に浮かぶ自動)思考、それを裏付ける根拠、自動思考を否定する反証を書き出します。

そして最後に、現実をありのままに見つめる「適応的思考」として、

“一部の男子からは冷やかされているが、男らしいと言ってくれる女子もいる”

という考え・ものの見方を自分で導き出すのです。

この本はよく出来ていると思います。



認知療法は、実際にノートに書き出すことが大切なのだと思います。

この練習帳は段階を追ってこれを実践できるようになっています。

思考・気分・行動・身体の関係を調べてみたり、気分を%で測ってみたり…目に見えないものを視覚化することによって、今までもやもやしていた自分象が見えるようになりました。


鬱は辛く苦しい病気だけれど、今では自分を真正面から見つめ直すという貴重な機会を与えられたのだと思っています。

この練習帳で身につけたことは今後の人生でもずっと役に立ってくれることと思います。



認知療法について、3人の主人公が持つそれぞれの悩みと回復の物語を通して、わかりやすく説明されている本です。

僕は自身の生活が本当に苦しい時に、この本やデビッド・D.バーンズ 氏の「いやな気分よ、さようなら」(こちらは、かなり分厚いです)などをよく読んでいました。


ただ、一口に認知療法と言っても、現在ではさまざまな方法や考え方に進歩してきているらしく、必ずしもこれらの本に出ているアプローチだけではないそうです。

いくつかの専門家の方のサイトでは「良い本ではあるものの決して万能ではなく、やはり専門家のアドバイスに従って、人それぞれの症状にあわせたステップを踏むべきだ」といったコメントが載せられていました。



実際のところ、個人的にはこれらの本にずいぶんと助けてもらい、出会えたからこそ何とか乗りこえてこれた…と本当に感謝しているのですが、僕の周囲の人で同じように「悩みを抱えている人」には薦めましたが、受け入れられてもらえなかったのも事実です。

この本のやり方がその人にあっているかどうかだけではなく、本を読む行為そのものが、そういう心理状態の場合簡単ではないことも多いのかもしれません。









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うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。(6)『不安もパニックも、さようなら』野村 総一郎ら著

うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。うつ病患者の家族のための本。

あの「いやな気分よ、さようなら」の著者、バーンズ博士がわかりやすく教える不安に負けない40の認知行動療法テクニックを紹介。(これがスグレモノ!)


日本に認知療法(認知行動療法)を広めたバーンズ博士の最新作。

ベストセラー「いやな気分よ、さようなら」と同様、読者自身が実践し、症状を軽減できる“セルフヘルプ”形式の本書は、薬を飲むことなく、効果的に不安障害を治療できる認知行動療法を紹介します。

パニック発作、対人恐怖(社交不安)、恐怖症、PTSD、強迫性障害などの不安・パニックの症状に打ち勝つ強力な40のテクニックを、読者はご自分の症状に合わせて効果的に選択することができます。

また、精神科医、臨床心理士などの専門家の方にとっても参考になる技法が満載です。


パニック障害は薬物療法が中心となりますが、最終的には薬なしに症状が出ないことが目標だと思います。

パニック障害の原因は脳内物質の異常分泌など様々な説がありますが、思考・習慣にも原因があるのであれば、それらを解決する必要があります。

本書は翻訳書ですが、日本人にとっても読みやすい内容になっています。


既存作の「いやな気分よさようなら」「FeelingGOODハンドブック」「自尊感情を取り戻す為の10日間プログラム」を読んできたが、今回の本が一番とっつきがいい。

数多くの技法を紹介しているし、実例エピソードも豊富で、説得力がある。

また、その技法が効かない可能性もあり、その場合は別の技法を試す。ということを明言しているのもいい。

鬱に悩んできた私にとっては10倍の価格でも惜しくないほどの名著です。









ラベル:野村総一郎
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2014年05月21日

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。鬱病の方にお勧めの本。(5)『いやな気分よ、さようなら』野村 総一郎ら著

うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。うつ病患者の家族のための本。


『いやな気分よ、さようなら』は、発売以来、英語版で300万部以上売れ、「うつ病」のバイブルと言われている。

抑うつを改善し、気分をコントロールするための認知療法を紹介する。

最近の大規模な調査によると、『いやな気分よ、さようなら』を読んだうつ病の患者さんの70%が、他の治療を併用することなく4週間以内に改善し、3年後でもその良い状態を維持していた。

この効果は、薬物療法や他の精神療法と比べても、優れているものと言えよう。

抑うつや不安な気分を克服するための最も効果的な科学的方法を、本書を読むことにより、学んでください。

増補改訂に際し、最近の新しい薬の話や脳内のメカニズムについて、分かりやすく詳しい説明が追加されている。



認知療法の枠を越えた画期的な本。

どうすれば鬱や無気力が治るのか、恋人や夫からの愛情がなくなった時にどうすればいいのか、愛する人がなくなった絶望感から早く抜け出す方法、批判してくる相手に対する最適な話し合いテクニックetc...(もっと載ってます)

人生の様々な問題に対する対処方法が書いてある。

鬱度チェックもついているので自分の鬱度を随時チェックできる。

めちゃくちゃ重い鬱病の人は本を読むことすら出来ないとは思うけど、本を読める力のある人は一日一章ずつ、継続して読むことを勧めます。


一度読むだけだとまた忘れるので、騙されたと思ってとにかく続けて下さい。

認知療法用のノートも併せて作ると最適です(トリプルカラム法:本書参照)

もっともっと多くの人に鬱から立ち直って欲しい。



これまで何十冊も「元気が出る」系の本を読みましたが、ほとんどが根拠のない精神諭の押し付けに過ぎませんでした。

しかしこの本は学術的バックグラウンドを元に、論理的、実践的かつ包括的で、非常に内容が濃く、巷の自己啓発本とは一線を画しています。

私はこれですっかり元気になりました。


原書が米国で出版されたのは20年以上も前ですが、当時200万部のベストセラーになっただけあって、内容も古さを感じさせません。

買ってきた日から取り組めて、気分改善だけでなく周囲の問題解決にも役立つ優れもの。

うつの予防法、心の成長を語る部分は本書のクライマックスですが、歯切れよく鋭い示唆に満ちており圧巻です。

サブタイトルに抑うつ克服法と書いてありますが、もっと幅広く人生における悩み全般に適用できる、他に類を見ない良書だと思います。

一般書コーナーに置いてほしいくらいです。



原書はもう四半世紀売れ続けてる認知療法の大ベストセラーです。

また自分で本を読んでやるビブリオセラピー(読書療法)の研究でも、いちばんよく使われる本でもあります。
 
認知療法を中心に、実にさまざまな技法やTips(小ネタ)、エピソードが満載で、多くの人が思い思いのやり方で、いろんな箇所を参考にしているようです。


とりあえずは第3章と第4章だけ読めば、認知療法は始められます。

そして困ったことや行き詰まったことがあるたびに、ページを開けば、どこかに切り抜けるためのヒントややり過ごすための方法が出てきます。

読み追えた後にも、繰り返し参考になる本です。 (認知療法の辞書のように使える。)








ラベル:野村総一郎
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うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本(3)『うつ病をなおす』野村総一郎著

うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。うつ病患者の家族のための本。


分かってきたことは、うつ病の本質は絶望にあるのではないことである。

絶望は病気ゆえに感じる「症状」であって、症状である以上、医学的な治療が解決の切り札になる。

そしてまた、うつ病の治療態勢はここ10年で見違えるほど整備されてきているのだ。

もっとも信頼される名医が説く、なぜ「うつ」になるのか、どうすれば回復するか。



現役専門医による鬱病の解説書。

私はもう何年も前に患って、最近は病気だったときの記憶をあまり思い出せないのですが、本書は当時を思い出しながら、それでいてとっても楽しく読めました。

本書が楽しいのは、現役医師のホンネがそこかしこに漏れ出ているからです。

こういう広く一般に読まれる本を書く専門家は、あまりホンネを出さないものですが、この人は違います。


特定の薬に対して「私もこの二つの薬は好きである」なんて、思いっきり個人的なコメントをしている。

私の乏しい経験では、良い医師は個人的な感情を押し殺さない。

万能の医師ではなく欠点ある一人の人間として患者に対峙してくれる。

彼の個性をフックにして、患者である私は医師に人間的信頼を抱き、自分への信頼を回復していきました。



本書は最新の治療について非常にきちんと書かれています。

まず薬物療法についてしっかりと書かれてますから、患者は「自分が今どんな治療を受けているか」を理解する助けになるでしょう。

その次に通電療法。そして認知療法。

良いのは、精神分析など日本ではほとんど実施されていない・効果も薄い・高価で時間がかかる治療法についてはムダにページを割いていないこと。

精神療法は現在の日本では現実的な選択肢ではありませんが、いたずらに投薬を「薬漬け」と批判する人たちが、さも投薬より効果があるみたいな幻想を振りまいています。

本書はそうした幻想に与しません。

あくまでも現場レベルでの最善を紹介しています。


私は本書の姿勢に強く共感し、支持します。



先に同じ講談社現代新書の笠原嘉『軽症うつ病』を読み、その文章の読みやすさ、内容の分かりやすさに感動したが、同じ新書で本書が出た事を知り、笠原版の続編を読むようなつもりでさっそく読み始めると、これもまた驚くほどの読みやすさ。

かといって内容が薄いわけではない。

勿論、初めて読む人のために前半の症例紹介などでは笠原版と重なる記述もあるが、著者が異なるとやはり視点が少し異なり、またズンズン読んでしまえる。

本書の最大の特色はタイトルが示す通り、治療法に比較的重点を置いて書かれていることだ。

特に4章「うつ病の治療メニュー」に含まれる「主な抗うつ薬」(pp.126~132)や「気分安定薬の解説」(pp.137~140)は代表的な薬の名称と共に特徴や副作用も述べられていて、現在通院服薬中の患者さんにとっては非常に参考になるだろう。

又、個人的にはpp.145~149に解説されている「通電療法(=電気ショック療法)」なるものに興味がわいて思わず自分も受けてみたくなった。

筆者の野村氏も、同僚に「自分がもしうつ病になったら、真っ先に通電療法を受けさせてくれ」と頼んでいるらしい。


ちなみに筆者の「野村総一郎」さんは、私の長女の同級生のお父さんでもある。







ラベル:野村総一郎
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うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。(1)『森田療法』岩井寛著

うつ病を治すための本。うつ病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。


僕は、本当にこの本に救われた。

大袈裟ではなく、文字通り、『命を救われた』。


他人の視線に怯える対人恐怖症。強迫観念や不安発作、不眠など、心身の不快や適応困難に悩む人は多い。

こころに潜む不安や葛藤を“異物”として排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れ、「目的本位」の行動をとることによって、すこやかな自己実現をめざす森田療法は、神経症からの解放のみならず、日常人のメンタル・ヘルスの実践法として、有益なヒントを提供する。


新書本にありがちな平板な概説書かと思い大して期待せずに読み始めたが、さにあらず、筆者の魂のこもった壮絶な書だった。

筆者は、末期癌の病床で視力をも含む体の機能の過半を失いながら、自己の生きる意味を追求するため、口述筆記によって本書を執筆した。

たとえ不安や恐怖に押しつぶされそうになっても、たとえ絶対絶命の状況に置かれても、それを「あるがまま」に受け入れ、自己実現のために一歩でも踏み出していく、そうした森田療法の精神を本書の執筆それ自体により筆者は具現化して見せたのである。

本書の中で紹介される幾多のエピソードは、筆者の人生の記録そのものである。

数度の流産経験を経てやっと授かった我が子が、生後間もなくして死亡する。

その際、悲しみに満ち溢れつつ、筆者は赤ん坊の死顔を夢中でスケッチブックに描きとめた。

傍目には異常とも思えるこの筆者の行動もまた、筆者流に解釈した森田療法の実践であった。

これほど読み手の心を揺さぶる新書本を私は他に知らない。

魂の書である。




世界的に知られている森田療法は、神経症に伴う不安、恐れを、「あるがまま」に受け入れる事を説く。

しかし、表面的に受け取ってしまっては、真の「あるがまま」の意味は伝わりにくく、誤解の恐れもある。

筆者は、自身の体験や治療した患者の例を通じて、判りやすく、具体的に森田療法について解き明かしており、森田療法への格好の入門書となろう。


「あるがまま」を受け止めるという古くから有る精神科領域の「森田療法」の紹介である。
 
この「あるがまま」を受け止める、というのは言うは易く、行うは難しだ。

そこを、臨床経験豊富な精神科医が具体的に解きほぐして解説してくれる。

うつ病などには、今ではかなり良い薬が出ているが、この本により僕も何度か命を救われた。

ストレスの多い、現代人にとっては、日頃から「あるがまま」を「積極的に、肯定的に受け入れる方法」を実践することが、自分を守ることになる。
 
そんな方法を筆者が自らは死の床にいながらにして、生き残っている僕らに残してくれた現代人必読の一冊である。







ラベル:森田療法
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