●気分障害の起源
複数の著作が、気分障害は進化的適応であるとしている。
落ち込みや抑うつは、危険や損失、無駄な努力をもたらす目標追求に対しての状況対応能力を高めるという。
そういった状況では低い動機付けが、特定の行動を抑制することによって利益が得られる。
この理論はなぜ気分障害がよく見られ、生殖年齢の頂点の人々をも襲うのかを説明するのに役立つ。
抑うつが機能不全であれば、これらの特性を説明するのは難しい。
抑うつ気分は地位の損失、離婚、あるいは子供や配偶者の死のような、人生において生じる特定の種類のありきたりな反応である。
これらは生殖の能力や可能性の損失を知らせる出来事であり、人類の祖先の生活環境においても存在した。
抑うつ気分は、以前の(繁殖的に不成功であった)方法や行動の向きを変えるという意味で適応反応とみなすことができる。
抑うつ気分はインフルエンザのような病気の最中には一般的である。
身体活動を制限することによって回復を助ける進化した機構であると論じられてきた冬の季節に生じる低水準の抑うつ、あるいは季節性情動障害は、過去において食物が乏しい期間の身体活動を制限することへの適応であるとも考えられる。
もはや食物の入手可能性は天候に左右されないが、冬の季節に落ち込んだ気分を体験することは、人類が保ってきた本能であると論じている。
●ICD-10における気分障害
以下のように小分類される。
・躁病エピソード
・双極性障害
・うつ病エピソード
・反復性うつ病性障害
・持続性気分(感情)障害
・その他の気分(感情)障害
・詳細不明の気分(感情)障害
●DSM-IVにおける気分障害
双極性障害 - いわゆる「躁うつ病」である。
I型双極性障害、II型双極性障害、気分循環性障害、特定不能の双極性障害の4つに分けられる。
うつ病性障害 - 大うつ病性障害、気分変調性障害、特定不能のうつ病性障害、抑うつ関連症候群の4つに細分化される。
いわゆる「うつ病」は大うつ病性障害に含まれる(そのため、うつ病のことを「大うつ病」と呼ぶことがあるが、重症なうつ病という意味ではない)。
一般身体疾患を示すことによる気分障害
特定不能の気分障害
2014年06月20日
気分障害について(2)
●気分障害について(2)
●物質誘発性気分障害
気分障害は、その病因が向精神薬やほかの化学物質の直接の生理作用にさかのぼることが可能な場合、あるいは物質の毒性や離脱と同時に生じた気分障害は、物質誘発性に分類される。
気分障害が物質使用障害と併発している場合もである。
物質誘発性気分障害は、躁、軽躁、混合、あるいはうつ病エピソードの特徴を有する。
多くの物質は多様な気分障害を生じさせることができる。
例として、アンフェタミン、メタンフェタミン、コカインのような覚醒剤は躁や軽躁、混合状態、うつ病のエピソードの原因となることが可能である。
●アルコール誘発性気分障害
アルコール依存症を伴う大量飲酒者や患者では、大うつ病性障害が高率で生じる。
アルコールの乱用と抑うつの発症が、先行する抑うつの自己治療的なものであるかについては議論があった。
しかし最近の研究は、いくつかの事例では事実だろうし、アルコールの乱用は大量飲酒者の多くが抑うつを発症する直接の原因になると結論している。
参加者の生活上のストレスの多い出来事の間、気分不快尺度を用いて評価された研究が行われた。
さらに、逸脱集団への加入、失業、パートナーの物質の使用とその刑罰が評価された。
その結果、アルコールに関連した問題として高い自殺率があった。
詳細な患者の既往歴によりアルコールの摂取に関連しない抑うつと、アルコール誘発性抑うつとを区別することは可能である。
アルコール乱用関連の抑うつと他の精神的問題は、脳内化学物質の歪みに起因する可能性があり、断酒後に誘発される傾向がある。
●ベンゾジアゼピン誘発性気分障害
バリウムやリブリウムのようなベンゾジアゼピン系の長期間の使用は、抑うつに関与したり、アルコールの脳における影響に類似している可能性がある。
大うつ病性障害はまた、長期離脱症候群の一部あるいはベンゾジアゼピン系の慢性的な使用の結果として発症する。
ベンゾジアゼピン系は、不眠症、不安、筋肉けいれんの治療に広く用いられる医薬品である。
アルコールと併用した場合、セロトニンやノルエピネフリンの濃度の増加のような神経化学上のベンゾジアゼピン系の作用で、抑うつを増す反応があると考えられている。
大うつ病性障害は、ベンゾジアゼピン系の離脱症状の一部として生じる可能性がある。
ベンゾジアゼピン系の依存症を有する患者における長期間の調査研究において、2人にだけ先行した抑うつ障害があり、長期にわたるベンゾジアゼピン系医薬品により10人の患者(20%)に過量摂取があった。
段階的に離脱する計画から1年後、さらなる過量摂取をした患者はいなかった。
ベンゾジアゼピン系からの離脱の結果である抑うつは、通常は数か月後に治まるが、少数の例では6〜12か月にわたり存続する可能性がある。
●物質誘発性気分障害
気分障害は、その病因が向精神薬やほかの化学物質の直接の生理作用にさかのぼることが可能な場合、あるいは物質の毒性や離脱と同時に生じた気分障害は、物質誘発性に分類される。
気分障害が物質使用障害と併発している場合もである。
物質誘発性気分障害は、躁、軽躁、混合、あるいはうつ病エピソードの特徴を有する。
多くの物質は多様な気分障害を生じさせることができる。
例として、アンフェタミン、メタンフェタミン、コカインのような覚醒剤は躁や軽躁、混合状態、うつ病のエピソードの原因となることが可能である。
●アルコール誘発性気分障害
アルコール依存症を伴う大量飲酒者や患者では、大うつ病性障害が高率で生じる。
アルコールの乱用と抑うつの発症が、先行する抑うつの自己治療的なものであるかについては議論があった。
しかし最近の研究は、いくつかの事例では事実だろうし、アルコールの乱用は大量飲酒者の多くが抑うつを発症する直接の原因になると結論している。
参加者の生活上のストレスの多い出来事の間、気分不快尺度を用いて評価された研究が行われた。
さらに、逸脱集団への加入、失業、パートナーの物質の使用とその刑罰が評価された。
その結果、アルコールに関連した問題として高い自殺率があった。
詳細な患者の既往歴によりアルコールの摂取に関連しない抑うつと、アルコール誘発性抑うつとを区別することは可能である。
アルコール乱用関連の抑うつと他の精神的問題は、脳内化学物質の歪みに起因する可能性があり、断酒後に誘発される傾向がある。
●ベンゾジアゼピン誘発性気分障害
バリウムやリブリウムのようなベンゾジアゼピン系の長期間の使用は、抑うつに関与したり、アルコールの脳における影響に類似している可能性がある。
大うつ病性障害はまた、長期離脱症候群の一部あるいはベンゾジアゼピン系の慢性的な使用の結果として発症する。
ベンゾジアゼピン系は、不眠症、不安、筋肉けいれんの治療に広く用いられる医薬品である。
アルコールと併用した場合、セロトニンやノルエピネフリンの濃度の増加のような神経化学上のベンゾジアゼピン系の作用で、抑うつを増す反応があると考えられている。
大うつ病性障害は、ベンゾジアゼピン系の離脱症状の一部として生じる可能性がある。
ベンゾジアゼピン系の依存症を有する患者における長期間の調査研究において、2人にだけ先行した抑うつ障害があり、長期にわたるベンゾジアゼピン系医薬品により10人の患者(20%)に過量摂取があった。
段階的に離脱する計画から1年後、さらなる過量摂取をした患者はいなかった。
ベンゾジアゼピン系からの離脱の結果である抑うつは、通常は数か月後に治まるが、少数の例では6〜12か月にわたり存続する可能性がある。
2014年06月17日
気分障害について(1)
●気分障害について(1)
気分障害(きぶんしょうがい、英: mood disorder)は、気分に関する障害を持つ精神疾患の一群である。
世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)においては、カッコして感情障害と記述される。
ある程度の期間にわたって持続する気分(感情)の変調により、苦痛を感じたり、日常生活に著しい支障をきたしたりする状態のことをいう。
うつ病と双極性障害など広範囲な精神的疾病がこの名称にあてはまる。
精神疾患の主要な分類法であるICD-10とDSM-IVの両者において用いられている語であり、この2者間で細かい分類の仕方は異なるものの含まれる概念はほぼ同一である。
●気分障害の分類
●抑うつ性障害
大うつ病性障害(major depressive disorder)は、大うつ病、単極性うつ病、臨床的うつ病とも呼ばれる。
大うつ病性障害の患者は、1回またはそれ以上の大うつ病エピソードを経験する。
初回のエピソード後に、「大うつ病性障害(単一エピソード)」と診断される。
1回以上のエピソードを経験すると、診断は「大うつ病性障害(反復性)」となる。
躁状態の期間のないうつ病は、気分が低い側の「極」にとどまっており、双極性障害のように高く躁的な側の「極」に上がらないという意味で、「単極性」うつ病と記述されることがある。
大うつ病エピソードや大うつ病性障害の患者は自殺のリスクが高まる。
健康の専門家に援助や治療を求めることで、個人の自殺のリスクは劇的に減少する。
抑うつ的な友人や家族に対して、自殺に関する思考があるかどうかを質問することは、リスクの有無を明らかにするために効果的な方法であり、かつ自殺の念慮を「植え付け」たり何らかの方法で自殺のリスクを増してしまうこともない、と研究により示されている。
現時点では、ヨーロッパで行われた疫学的研究から、世界の人口の概ね8.5%がうつ病性障害であろうと示唆されている。
特定の年齢の集団がうつ病から免除されることはなさそうである。
母親から分離された生後6ヶ月の乳児にもうつ病が出現したという研究報告がある。
(続く)
気分障害(きぶんしょうがい、英: mood disorder)は、気分に関する障害を持つ精神疾患の一群である。
世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)においては、カッコして感情障害と記述される。
ある程度の期間にわたって持続する気分(感情)の変調により、苦痛を感じたり、日常生活に著しい支障をきたしたりする状態のことをいう。
うつ病と双極性障害など広範囲な精神的疾病がこの名称にあてはまる。
精神疾患の主要な分類法であるICD-10とDSM-IVの両者において用いられている語であり、この2者間で細かい分類の仕方は異なるものの含まれる概念はほぼ同一である。
●気分障害の分類
●抑うつ性障害
大うつ病性障害(major depressive disorder)は、大うつ病、単極性うつ病、臨床的うつ病とも呼ばれる。
大うつ病性障害の患者は、1回またはそれ以上の大うつ病エピソードを経験する。
初回のエピソード後に、「大うつ病性障害(単一エピソード)」と診断される。
1回以上のエピソードを経験すると、診断は「大うつ病性障害(反復性)」となる。
躁状態の期間のないうつ病は、気分が低い側の「極」にとどまっており、双極性障害のように高く躁的な側の「極」に上がらないという意味で、「単極性」うつ病と記述されることがある。
大うつ病エピソードや大うつ病性障害の患者は自殺のリスクが高まる。
健康の専門家に援助や治療を求めることで、個人の自殺のリスクは劇的に減少する。
抑うつ的な友人や家族に対して、自殺に関する思考があるかどうかを質問することは、リスクの有無を明らかにするために効果的な方法であり、かつ自殺の念慮を「植え付け」たり何らかの方法で自殺のリスクを増してしまうこともない、と研究により示されている。
現時点では、ヨーロッパで行われた疫学的研究から、世界の人口の概ね8.5%がうつ病性障害であろうと示唆されている。
特定の年齢の集団がうつ病から免除されることはなさそうである。
母親から分離された生後6ヶ月の乳児にもうつ病が出現したという研究報告がある。
(続く)

