双極性障害は、躁状態を伴う双極 I 型障害(英: bipolar I disorder)と、軽躁状態を伴う双極 II 型障害(英: bipolar II disorder)に区分される。
躁状態、または混合状態が1回認められれば、双極 I 型障害と診断される。
うつ状態と躁状態が、症状のない寛解期をはさみながら繰り返していくことが多い。
躁状態あるいはうつ状態から次のエピソードまでの間隔は平均して数年間である。
また、うつ状態と躁状態の症状が混ざって出現する混合状態(混合性エピソード)が生じる場合もある。
これに対して、うつ状態と軽躁状態のみが認められる場合を、双極 II 型障害と呼ぶ。
軽躁状態は、患者や家族には病気とは認識されにくいため、自覚的には反復性のうつ病であると考えている場合も多い。
症例によっては特定の季節に再発を繰り返すこともある。
うつ状態から急に躁状態になること(躁転)はまれでなく、一晩のうちに躁転することもある。
また1年のうちに4回以上うつ状態、躁状態を繰り返すものを急速交代型(英: Rapid Cycler)と呼ぶ。
双極性障害の診断は専門家であってもしばしば困難である。
とくに、純粋な単極性うつ病から、双極性障害を原因としたうつ状態を鑑別することは困難である。
若年発症では、最初のいくつかのエピソードはうつ状態である可能性が高い。
双極性障害の診断は躁または軽躁エピードを必要とするため、多くの患者は最初の診断および治療では大うつ病とされていた。
双極性障害の患者には、なんらかのパーソナリティ障害が伴っているケースが高いことが、統計的に確立している。
その中でも、境界性パーソナリティ障害を疾患にもつ患者の双極性障害の確率が高いとされている。
双極性障害の研究の第一人者であるハゴップ・アキスカルは、はじめ神経症性うつ病、境界性パーソナリティ障害と気分障害に関する研究を行っていたが、双極性障害を限定的に定義する診断基準に疑問を持っていた。
「三環系抗うつ薬で躁転を示す気分失調症は双極型とすべきである」「思春期前にも躁・軽躁エピソードが見られる」「双極性障害は社会的適応、対人関係、薬物乱用に影響する」など指摘。多くの症例を双極スペクトラム概念としてとらえる必要性があると説いた。
それ以前にもクレペリンが双極性障害の様々な経過類型について記述しており、双極性障害を一元的にとらえていたとされる。