2014年07月01日

不眠症について(2)

●不眠症について(2)


●主観的な不眠症

一部の不眠症は、実は不眠症ではない。

睡眠状態の誤解(英語版)は、正常な時間帯で寝ているのに入眠にかかる時間をまだ過剰に見積もる。

その場合、実際には8時間じっくり寝たのに、4時間しか眠れていないなどと考えていることがある。


●不眠症の診断

DSM-IV(『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版)による他に原因がない不眠症である原発性不眠症の診断基準に従えば、診断基準Dの他の疾患が原因でなく、診断基準Eの医薬品や他の乱用薬物が原因でなく、診断基準Aの1か月以上持続しており、そして診断基準Bの臨床的に著しい苦痛、または重要な領域における機能の障害を引き起こしている場合である。


正常な短眠者や、正常な範囲の睡眠の乱れは、臨床的に著しい苦痛や機能の障害を起こさないため、頻繁に問題が生じ何か月にもわたり持続し、臨床的に著しい苦痛を伴ったり、少なくない機能の障害を引き起こしているものが不眠症である。

因果関係の知識は、診断のために必要ではない。



睡眠医学(英語版)の専門家は、多くの異なる睡眠障害を診断するための資格を有する。

睡眠相後退症候群といった様々な障害を持つ患者は、頻繁に原発性不眠症と誤診されている。



●不眠症の鑑別診断

多くの場合、不眠症は他の障害や、医薬品の副作用、心理的な問題との併存である。

不眠症と診断された約半数は精神障害に関連している。


うつ病では多くの場合、不眠症は二次的なものというより、併存とみなされるべきであり、よく精神障害に先行する。

実際に、続く精神障害の表れであることがある。



DSMによる物質誘発性睡眠障害には、薬物依存、薬物乱用、薬物中毒、そして離脱が原因となることが指摘されている。


不眠の原因として多いのは、物質の使用あるいは離脱によるもので、原因として最も多いのはカフェインであり、娯楽薬や処方薬も原因となりうる。



カフェインでは量に比例して(用量依存的に)睡眠時間が短くなる。


バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系の鎮静催眠剤からの離脱中に薬物誘発性不眠症が生じることがあり、薬の中止から1か月後までに発症し、数ヶ月間、強度を減じながら持続する可能性がある。


特に、バルビツール酸系や非バルビツール酸系では、慢性使用により作用に耐性を生じ不眠症に陥ることがあるが、薬剤を増量すると今度は日中に物質誘発性過眠症を生じうる。



不眠症は甲状腺機能亢進症に伴って起こりうる。

過眠症は睡眠が十分であっても日中に眠気がある状態である。

入眠に問題があるが、正常な睡眠規則がある場合には、概日リズム睡眠障害の可能性がある。


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2014年06月30日

不眠症について(1)

●不眠症について(1)

不眠症(ふみんしょう、英:Insomnia)とは、必要に応じて入眠や眠り続けることができない睡眠障害である。

そしてそのことが持続し、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている場合には精神障害となる。



不眠症は、入眠や睡眠持続が難しかったり、睡眠の質が悪いといったことが続いているという特徴を持つ、いくつかの医学的な兆候と症状を伴う医学的また精神医学的な障害であると考えられている。

不眠症では一般的に起床中の機能障害が続いている。不眠症はどの年齢でも起きるが、特に顕著なのは高齢者である。


睡眠の問題を抱える人にしばしば睡眠薬が用いられ、たまに使用されれば役立つが、定期的に長期的に用いた場合、薬物依存症や乱用につながることがある。

不眠症は、原発性と二次性、あるいは併存の不眠症に分類される。


原発性不眠症とは、医学的、精神医学的また環境的な原因がない睡眠障害である。




●不眠症の分類

入眠時不眠症は、夜間のはじめのほうにおける入眠の困難であり、しばしば不安の症状がある。

日照時間にまで睡眠時間帯が遅れていることが原因の睡眠相後退症候群は不眠症と誤診される。


夜間覚醒から睡眠に戻るのが難しいという入眠困難であることもよくある。

これらの人々の3分の2は夜間の半ばに目覚め、半数以上は睡眠に戻れない。


早朝覚醒は、合計睡眠時間が6.5時間に達する前に、覚醒が(30分以上)早く起こり、睡眠に戻ることができない。しばしばうつ病に特徴的である。



●低い睡眠の質

低い睡眠の質は、むずむず脚症候群、睡眠時無呼吸症候群やうつ病によって起こることもある。

低い睡眠の質は、回復の性質があるステージ3や、デルタ睡眠に達することができないことが原因である。

うつ病は視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)の機能を変化させ、コルチゾールが過剰に放出されることで低い睡眠の質につながることがある。

夜間の多尿症(英語版)は、睡眠をかき乱す。


posted by ホーライ at 01:21| 北京 | 不眠症について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月25日

気分障害の起源

●気分障害の起源

複数の著作が、気分障害は進化的適応であるとしている。

落ち込みや抑うつは、危険や損失、無駄な努力をもたらす目標追求に対しての状況対応能力を高めるという。

そういった状況では低い動機付けが、特定の行動を抑制することによって利益が得られる。

この理論はなぜ気分障害がよく見られ、生殖年齢の頂点の人々をも襲うのかを説明するのに役立つ。

抑うつが機能不全であれば、これらの特性を説明するのは難しい。

抑うつ気分は地位の損失、離婚、あるいは子供や配偶者の死のような、人生において生じる特定の種​類のありきたりな反応である。

これらは生殖の能力や可能性の損失を知らせる出来事であり、人類の祖先の生活環境においても存在した。

抑うつ気分は、以前の(繁殖的に不成功であった)方法や行動の向きを変えるという意味で適応反応とみなすことができる。



抑うつ気分はインフルエンザのような病気の最中には一般的である。

身体活動を制限することによって回復を助ける進化した機構であると論じられてきた冬の季節に生じる低水準の抑うつ、あるいは季節性情動障害は、過去において食物が乏しい期間の身体活動を制限することへの適応であるとも考えられる。

もはや食物の入手可能性は天候に左右されないが、冬の季節に落ち込んだ気分を体験することは、人類が保ってきた本能であると論じている。




●ICD-10における気分障害

以下のように小分類される。

・躁病エピソード

・双極性障害

・うつ病エピソード

・反復性うつ病性障害

・持続性気分(感情)障害

・その他の気分(感情)障害

・詳細不明の気分(感情)障害


●DSM-IVにおける気分障害


双極性障害 - いわゆる「躁うつ病」である。

I型双極性障害、II型双極性障害、気分循環性障害、特定不能の双極性障害の4つに分けられる。

うつ病性障害 - 大うつ病性障害、気分変調性障害、特定不能のうつ病性障害、抑うつ関連症候群の4つに細分化される。

いわゆる「うつ病」は大うつ病性障害に含まれる(そのため、うつ病のことを「大うつ病」と呼ぶことがあるが、重症なうつ病という意味ではない)。

一般身体疾患を示すことによる気分障害

特定不能の気分障害

posted by ホーライ at 18:54| 北京 | 気分障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月20日

気分障害について(2)

●気分障害について(2)


●物質誘発性気分障害

気分障害は、その病因が向精神薬やほかの化学物質の直接の生理作用にさかのぼることが可能な場合、あるいは物質の毒性や離脱と同時に生じた気分障害は、物質誘発性に分類される。

気分障害が物質使用障害と併発している場合もである。

物質誘発性気分障害は、躁、軽躁、混合、あるいはうつ病エピソードの特徴を有する。

多くの物質は多様な気分障害を生じさせることができる。

例として、アンフェタミン、メタンフェタミン、コカインのような覚醒剤は躁や軽躁、混合状態、うつ病のエピソードの原因となることが可能である。



●アルコール誘発性気分障害

アルコール依存症を伴う大量飲酒者や患者では、大うつ病性障害が高率で生じる。

アルコールの乱用と抑うつの発症が、先行する抑うつの自己治療的なものであるかについては議論があった。

しかし最近の研究は、いくつかの事例では事実だろうし、アルコールの乱用は大量飲酒者の多くが抑うつを発症する直接の原因になると結論している。


参加者の生活上のストレスの多い出来事の間、気分不快尺度を用いて評価された研究が行われた。

さらに、逸脱集団への加入、失業、パートナーの物質の使用とその刑罰が評価された。

その結果、アルコールに関連した問題として高い自殺率があった。

詳細な患者の既往歴によりアルコールの摂取に関連しない抑うつと、アルコール誘発性抑うつとを区別することは可能である。

アルコール乱用関連の抑うつと他の精神的問題は、脳内化学物質の歪みに起因する可能性があり、断酒後に誘発される傾向がある。




●ベンゾジアゼピン誘発性気分障害

バリウムやリブリウムのようなベンゾジアゼピン系の長期間の使用は、抑うつに関与したり、アルコールの脳における影響に類似している可能性がある。

大うつ病性障害はまた、長期離脱症候群の一部あるいはベンゾジアゼピン系の慢性的な使用の結果として発症する。

ベンゾジアゼピン系は、不眠症、不安、筋肉けいれんの治療に広く用いられる医薬品である。

アルコールと併用した場合、セロトニンやノルエピネフリンの濃度の増加のような神経化学上のベンゾジアゼピン系の作用で、抑うつを増す反応があると考えられている。

大うつ病性障害は、ベンゾジアゼピン系の離脱症状の一部として生じる可能性がある。

ベンゾジアゼピン系の依存症を有する患者における長期間の調査研究において、2人にだけ先行した抑うつ障害があり、長期にわたるベンゾジアゼピン系医薬品により10人の患者(20%)に過量摂取があった。

段階的に離脱する計画から1年後、さらなる過量摂取をした患者はいなかった。

ベンゾジアゼピン系からの離脱の結果である抑うつは、通常は数か月後に治まるが、少数の例では6〜12か月にわたり存続する可能性がある。

posted by ホーライ at 20:45| 北京 ☀| 気分障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月19日

抑うつ性障害(depressive disorder)は

●抑うつ性障害(depressive disorder)は

プライマリ・ケアや総合病院の現場でも頻繁に見られるが、見逃されることも多い。

未認知のうつ病性障害は回復が遅れたり、身体的疾患の予後を悪化させる可能性があるため、すべての医師がこの状態を認識することができ、軽症な症例を治療し、専門的治療の必要な患者を見分けることができるようになることが重要である。


下記のようなサブタイプ(下位分類)や経過の特定用語(修飾語)が、診断学的に使用されている:非定型うつ病(atypical depression)は気分の反応性(パラドキシカルなアンヘドニア[無快楽症])とポジティブさ、著明な体重増加や食欲増進(むちゃ食い)、過剰な睡眠や眠気(過眠症)、鉛様麻痺として知られる四肢の重さの感覚、対人関係において拒絶されるという認識に対する過敏性の結果としての重大な社会的障害、などによって特徴づけられる。


このサブタイプを評価判定する難しさのために、その意義や有病率には疑問も呈されている。



●メランコリー型うつ病(melancholic depression)は、ほとんどまたはすべての活動における喜びの喪失(アンヘドニア)、楽しい刺激に対する反応性の欠如、死別や喪失体験よりも質的に深い気分の落ち込み、午前中の症状悪化、早朝覚醒、精神運動遅延、極度の体重減少(拒食症とは区別される)、あるいは過剰な自責感などによって特徴づけられる[8]。


●精神病性大うつ病(psychotic major depression)/精神病性うつ病(psychotic depression)は、大うつ病エピソードの用語で、とくにメランコリー型の性質を持つ患者にみられ、妄想、あるいは(頻度はより少ないが)幻覚など、精神病性の症候を伴うものである。

これらは多くの場合、気分に調和した(抑うつ的なテーマに符合した内容の)ものである。



●緊張病性うつ病(catatonic depression)は、大うつ病のまれな重症の型で、運動性の行動やその他の症状の欠如を伴う。

このタイプの人は無言でほとんど昏迷様で、動けないか、あるいは無目的な、あるいは奇妙な動きを呈することもある。

緊張病性の症候は、統合失調症や躁病エピソードにも出現することもあり、また悪性症候群に起因する場合もある。





●産後うつ病/産後抑うつ(postpartum depression)はDSM-IV-TRで経過の特定用語としてリストされている。

そこでは、出産後の女性に現れる、強くて持続的な、時に無能力化させるうつ状態を指している。10〜15%の女性に影響する産後のうつ状態は、典型的には分娩後3ヶ月以内に発症し、長ければ3ヶ月持続する。



女性にとって出産後はじめの数週間に短期間、疲れや悲しみの気分を経験することは非常に多いが、産後うつ病は、家庭や仕事、学校で重大な困難や機能障害、例えば家族や配偶者、友人との関係が困難になることや、新生児との絆に問題が生じることさえもあり得るという点で異なる。

母乳哺育中の産後の大うつ病やその他の単極性のうつ病の女性の治療においては、治療薬としてはノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリンが一般的にはより望ましいとされている.。


気分障害の既往歴や家族歴のある女性は特に産後うつ病になるリスクが高い。



●季節性感情障害(seasonal affective disorder)は「冬季うつ病(winter depression)」や"winter blues"といった名でも知られる特定用語である。

一部の患者は季節的なパターンを停止、うつ病性エピソードが秋または冬に来て、春には解消する。

もし2回以上のエピソードが寒冷期に起こり、2年またはそれ以上の期間にわたって寒冷期以外に起こらなければ、季節性感情障害と診断される。



よく高緯度の地域に住む人々は冬季に日光を浴びる量が少なく、そのために季節性感情障害の頻度が高いという仮説が提唱されるが、この主張を裏付ける疫学的な根拠は強くない(また、冬季に人の目に届く日光の量は、緯度のみにより規定されるわけではない)。


また季節性感情障害は若年者に多く、一般的には男性より女性に多くみられる。




●気分変調症(ディスチミア、dysthymia)/気分変調性障害(dysthymic disorder)は、同様の身体的・認知的問題が明らかであるという点で単極性うつ病に似ているが、それほど重症でなく、長期に持続する傾向がある(通常2年以上)病態である。

気分変調症の治療は、抗うつ薬による薬物療法や精神療法を含め、おおまかには大うつ病の治療と同じである。



●二重うつ病(double depression)は、2年以上続く一定の抑うつ気分(気分変調症)の期間中に、大うつ病の期間が挿入されるものと定義される。



●特定不能のうつ病性障害(depressive disorder not otherwise specified, DD-NOS)は、他の公式に特定された診断に当てはまらないものの障害を呈するうつ病性障害である。DSM-IVによれば、DD-NOSは「特定の障害の基準を満たさないうつ病性障害」を含む。

ここには下記にリストされた反復性短期抑うつ障害や小うつ病性障害の研究用診断(試案)が含まれる。



●抑うつパーソナリティ障害(depressive personality disorder)は、抑うつ的な特徴を持つパーソナリティ障害を意味する、議論の多い精神科診断である。

抑うつパーソナリティ障害はもともとDSM-IIに含まれていたが、DSM-IIIやDSM-III-Rでは取り除かれた。


最近、診断に復帰させることが再検討されている。抑うつパーソナリティ障害はDSM-IV-TRの付録Bで、今後の研究の価値があるとして記載されている。

●反復性短期抑うつ障害/反復性短期うつ病性障害(recurrent brief depressive disorder)は、主に持続期間の違いから大うつ病性障害と区別される。

反復性短期抑うつ障害では、ひと月に1回程度、それぞれは2週間に満たず典型的には2-3日以下の抑うつエピソードを呈する。

反復性短期抑うつ障害の診断は、少なくとも1年のスパンでエピソードが出現し、女性の場合は月経周期と独立している必要がある[20]。臨床的うつ病の患者がその後、反復性短期抑うつ障害になることもあれば、逆の場合もあり、双方の疾患には類似のリスクがある。


小うつ病性障害(minor depressive disorder)あるいは小うつ病は、大うつ病の基準を完全には満たさないものの、少なくとも2つの症候が2週間存在するものをいう


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2014年06月17日

強迫性障害治療のための身につける行動療法

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病


●強迫性障害治療のための身につける行動療法

「極端なことを強引にさせる治療」「心を扱わない表層的な治療」「治療パッケージとして限定されたもの」等の行動療法をめぐる誤解を払拭し,行動療法の実用性と奥深さを,難治とされる強迫の臨床を通して伝える。

身につければこれほど役に立つ技術はないと実感している著者らによる,患者の生活の“質"の変化を目指す行動療法のススメ。


行動療法を実践している人には、行動療法のコツや、うまくいかない場合の対処法など分かりやすくすぐに役立ちます。

また、行動療法を学ぼう・始めようという人にも具体的にどのような技法が必要で、どうすれば身につけられるかが書いてあります。








ラベル:行動療法
posted by ホーライ at 23:05| 北京 ☔| 強迫性障害の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

気分障害について(1)

●気分障害について(1)


気分障害(きぶんしょうがい、英: mood disorder)は、気分に関する障害を持つ精神疾患の一群である。

世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)においては、カッコして感情障害と記述される。



ある程度の期間にわたって持続する気分(感情)の変調により、苦痛を感じたり、日常生活に著しい支障をきたしたりする状態のことをいう。

うつ病と双極性障害など広範囲な精神的疾病がこの名称にあてはまる。


精神疾患の主要な分類法であるICD-10とDSM-IVの両者において用いられている語であり、この2者間で細かい分類の仕方は異なるものの含まれる概念はほぼ同一である。



●気分障害の分類

●抑うつ性障害

大うつ病性障害(major depressive disorder)は、大うつ病、単極性うつ病、臨床的うつ病とも呼ばれる。

大うつ病性障害の患者は、1回またはそれ以上の大うつ病エピソードを経験する。



初回のエピソード後に、「大うつ病性障害(単一エピソード)」と診断される。

1回以上のエピソードを経験すると、診断は「大うつ病性障害(反復性)」となる。

躁状態の期間のないうつ病は、気分が低い側の「極」にとどまっており、双極性障害のように高く躁的な側の「極」に上がらないという意味で、「単極性」うつ病と記述されることがある。


大うつ病エピソードや大うつ病性障害の患者は自殺のリスクが高まる。

健康の専門家に援助や治療を求めることで、個人の自殺のリスクは劇的に減少する。


抑うつ的な友人や家族に対して、自殺に関する思考があるかどうかを質問することは、リスクの有無を明らかにするために効果的な方法であり、かつ自殺の念慮を「植え付け」たり何らかの方法で自殺のリスクを増してしまうこともない、と研究により示されている。


現時点では、ヨーロッパで行われた疫学的研究から、世界の人口の概ね8.5%がうつ病性障害であろうと示唆されている。

特定の年齢の集団がうつ病から免除されることはなさそうである。

母親から分離された生後6ヶ月の乳児にもうつ病が出現したという研究報告がある。


(続く)


posted by ホーライ at 21:09| 北京 ☔| 気分障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

自信をもてないあなたへ―自分でできる認知行動療法

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。

●自信をもてないあなたへ―自分でできる認知行動療法


うつ、不安、無気力、パニック障害、対人恐怖症…。そんなあなたの「いやな気分」が少しずつほぐれていきます。

あなたをあなた自身のセラピストにし、心の力を育てる認知行動療法を紹介します。


認知行動療法は、あなた自身のセラピストにし、洞察力を高め、改善のための計画を立て、実践し、その結果を自分で審査するように指導してくれるのです。

ここで獲得し実践した新しいスキルは、生涯あなたの役に立ってくれることでしょう。

―「第一章◆『自信がない』=『自己評価が低い』」より

この本は前向きな思考の力を説く本でもないし、非現実的なほど自分に対して肯定的になりなさいと言ってるのでもありません。

あなたの弱点や欠点を、人間一般に対する好意的な見方のなかに組み込んで、「完璧」よりは「及第点」を目指すよう後押しする見方、バランスのとれたゆがみのない見方を獲得するための本なのです。

朝日新聞2010/1/15朝刊「自分で学べる認知行動療法の本」にセレクトされて話題沸騰!


うつ病と診断されて4年目、先月からまた調子が悪くなり会社を休職中しました。

その間にこの本を読みました。

自分の何が問題なのか?

そもそも何をしたいのか?

何ができるのか?



これらを知りたくて家に引きこもりながら、50冊ぐらいむさぼり読みました。

その中で『一番ためになった』のがこの本です。



他の方が書かれているようにこの本は根気がいります。

ただ読み解くだけでなく、ワークをこなす。

それも自分自身の内面を深く、深く見つめる必要があります。
(私は一週間程度かかりました)

でもそのおかげで私がずっと抱えていた悩みの正体がわかりました。

私は3年間カウンセリングに通っていますが、それでもわからなかった事です。
(かと言ってカウンセリングが無意味というわけではありません。あしからず)



私の奥深くにあったのは「私は必要な人間ではない」という思い込みです。

そのお陰で、いろいろな事で不利益・不都合をこうむってきました。

実際思い込みが消えるまでにはまだまだ時間がかかると思います。

でも、長年私を苦しめ続けてきたものの正体がわかり、そしてそれと向き合う方法を手に入れて実にすがすがしい気持ちです。


本当に自分を見つめなおしたい方。

自信を持てない方。

自己評価がいつも低くて苦しんでいる方。


必見です!!








posted by ホーライ at 01:23| 北京 | 認知療法の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

うつ病に対する認知行動療法(2)

●うつ病に対する認知行動療法

認知行動療法(にんちこうどうりょうほう、cognitive behavioral therapy、CBT)は、行動療法(学習理論に基づく行動変容法・理論の総称)と認知療法(認知や感情に焦点を当てる心理療法)との総称である。



●うつ病に対する認知行動療法の概要

認知行動療法とは?

認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種である。

考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていく。

誤った認識・陥りがちな思考パターンの癖を、客観的でよりよい方向へと修正する。

鬱、PTSD、パニック障害、解離性障害、複雑性悲嘆、強迫神経症など、多種多様な精神的疾患で、その高い効果が報告されている。

自身で手引きを参考にしながら出来る、比較的、手軽な方法から、それが困難な場合には、専門の医師に治療してもらう方法まで、認知行動療法は、広義に活用されている。

ただし疾患の種類や症状の重さによっては、トラウマへの介入・想起により強い苦痛や葛藤を伴い、場合によっては悪化することもあるため、クライエントの状態を判断して治療することが重要である。



●うつ病の認知行動療法治療の進め方

治療の進め方としては、現在、医院ではクライエントに無理がないように時間をかけて、徐々に問題と向き合う方法が主に行われている。

1.患者を一人の人間として理解し、患者が直面している問題点を洗い出して治療方針を立てる

2.自動思考に焦点をあて認知の歪みを修正する

3.より心の奥底にあるスキーマに焦点を当てる

4.治療終結

こうしたことから認知行動療法とは、認知の歪みを客観的に正し、クライエントが自身で感情や考え方の安定したコントロールが出来るようにすることで、問題に囚われた精神状態から無事、脱却し、再び同じ心身状態に陥ることを防ぐ治療法といえる。



●うつ病の行動療法と認知療法

行動療法と認知療法とは切り離せないものと考えられており、今ではこの二つを合わせた「認知行動療法」と呼ばれるようになっている。

「認知行動療法」という呼び名が最初に現れたのは、ドナルド・マイケンバウムの著作のタイトルである。

行動療法では認知や感情も行動の一部であるという解釈があり、認知療法のアルバート・エリスやアーロン・ベックは積極的に行動療法的な技法を取り込んで発展させて行った。

そのため、次第にこの両者は統合あるいは折衷されていった。

それまでの行動療法が対症療法的で、個人の経験や葛藤を考慮していないために再発や別の症状が出るという批判も、認知や感情を重視するようになったためほぼ解消されたといえる。

「認知療法」、「行動療法」と分けて呼ぶ場合には「(ベックの)認知療法」と言った狭義の呼称であったり、系統的脱感作のような古典的技法を指しての「行動療法」であったりする。

なお海外では「行動認知療法(Behavioral and Cognitive Therapies)」と呼ばれることもある。

さらに近年は「マインドフルネス」と「アクセプタンス」を共通の治療要素とする第三世代の行動療法が展開されている。


認知行動療法のテクニックは、人それぞれが持つ認知構造やスキーマと呼ばれるものが、人生において出会ういろいろな状況に反応したり適応したりする方法を形づくるという想定の下にある。



●うつ病に対する認知行動療法の効果

イギリスやアメリカではうつ病と不安障害の治療ガイドラインで第一選択肢になっている。

薬物療法と効果は同等であり、効果の持続時間はそれ以上であることが承認されている。

多くの臨床研究によりうつ病と不安障害に対して効果が高いというエビデンスがある。



●うつ病に対する認知行動療法の効果に関する議論

認知行動療法(CBT)に関する概念や効果研究の方法について、諸問題が提起されています。


1. CBTの基礎概念では、マイナス思考がうつ病の原因であるとされています。

しかし、医学・精神医学の中では、症状が病気の原因になっているのはこれが 唯一の例です。 

また、「私はどうでもいい人間」や「私はだめな人間」のようなマイナス思考が、うつ病の根底にある憂うつ気分の二次的な反応という解釈もできます。

希望や支えを与えると患者は楽になりますが、うつ病そのものは治療されません。

また、うつ病の臨床試験の場合、プラセボ(薬理効果をもたらす成分が入っていない偽薬)の投与群でも、うつ症状がある程度改善することがよく知られています。

そのため、効果的な薬剤を服用している希望や期待によってマイナス思考が改善したと思われ、CBT効果と同じ現象ではないかと示唆されます。




2. CBTの効果研究の方法が、ダブルブラインド(二重盲検)でないことが問題とされています。

患者と治療者の両方が治療内容がCBTであることを明確に認識 している場合(ダブルブラインドでない)、それによってバイアス(希望による期待)が生じる。

そのため、明らかにCBTでない対象群より、よくなりたい患者の症状の方がある程度和らげられ、結果として「CBTがより効果的だ」という誤った結論になってしまいます。

また、研究の評価者は治療内容を認識していないが、患者と治療者の両者が認識しているシングルブラインド(単盲検)の効果研究方法は妥当性に欠けてしまいます。



2010年に行った過去の 研究をまとめた調査によると、治療内容を認識している研究とある程度しか認識していない研究を比較すると、患者や治療者が治療内容を認識すればするほど、 CBTが優位な結果となりました。

これは、バイアスが原因ではないかと強く示唆されています。


逆に、患者や治療者が治療内容を認識しなければしないほど、うつ病に対する効果がほとんどなくなります。




3. 軽症うつ病の患者が重症患者より多く、病気なのか、または性格やストレスによるうつ気分なのかが区別しにくくなります。

軽症うつの患者は希望や期待に作用されやすく、上記のように症状がある程度容易に和らげられます。

また、このような患者は重症のうつ病がはっきりしている患者と比べて効果研究に参加しやすく、客観的な結果が得られにくくなります。



結論:

1. CBTによって心理的な機能(主にマイナス思考による不快感)がある程度まで改善できる。

2. CBTはうつ病やその他精神科疾患の治療として、その効果が医学的に証明されていない。

その上、CBT効果研究のダブルブラインド(二重盲検性)を調査した研究によると、うつ病に対するCBTの効果は極めて低い。

3. CBTは、中途度より重いうつ病に対しては単独治療にすべきでない。

4.主に二重盲検効果研究の実施は不可能なため、CBTの効果研究は「根拠に基づいた医療」(Evidence-Based Medicine)とはいえず、これまでのデータは、「統制されていない研究結果」にすぎない。

5.重度の症状が有る場合は、苦痛を伴う事が少なからず有る事で、苦痛に耐えきれず中途で断念する人が少なからずいる。


なお、抗うつ薬の二重盲検試験にも、副作用の有無によって医師と被験者に抗うつ薬と偽薬のどちらを投与したか見破られるという問題がある。

また、医薬品の単盲検試験では被験者に割付群を知らせないが、心理療法のランダム化比較試験(RCT)における単盲検では効果の評価者に割付群を知らせないという違いがある。

心理療法のRCTの問題を克服する手法も開発されており、評価者がブラインド化された研究では効果量が50〜100%高く出ることもない。



以上


posted by ホーライ at 01:15| 北京 | 認知療法による治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月12日

うつと不安の認知療法練習帳(ガイドブック)

うつ病を治すための本。鬱病を解説している本。うつ病の方にお勧めの本。鬱病患者の家族のための本。

●うつと不安の認知療法練習帳(ガイドブック)

人間の感情や感じ方というのは、そのとき直面している問題や状況を、その人がどう捉え、どう考えるかによって大きく変わってくる。

したがって考え方を変えることによって、抱えている問題を乗り越えることは可能なのだ。

本書は、いまアメリカの心理療法の分野で大きな勢力をもち、日本でも急速に広まりつつある認知療法を、うつや不安のなどの症状を抱える一般の読者が、自分で使えるように工夫された練習帳である。


認知療法は、実際にノートに書き出すことが大切なのだと思います。

この練習帳は段階を追ってこれを実践できるようになっています。

思考・気分・行動・身体の関係を調べてみたり、気分を%で測ってみたり…目に見えないものを視覚化することによって、今までもやもやしていた自分象が見えるようになりました。

鬱は辛く苦しい病気だけれど、今では自分を真正面から見つめ直すという貴重な機会を与えられたのだと思っています。

この練習帳で身につけたことは今後の人生でもずっと役に立ってくれることと思います。



認知療法について、3人の主人公が持つそれぞれの悩みと回復の物語を通して、わかりやすく説明されている本です。

僕は自身の生活が本当に苦しい時に、この本やデビッド・D.バーンズ 氏の「いやな気分よ、さようなら」(こちらは、かなり分厚いです)などをよく読んでいました。

ただ、一口に認知療法と言っても、現在ではさまざまな方法や考え方に進歩してきているらしく、必ずしもこれらの本に出ているアプローチだけではないそうです。

いくつかの専門家の方のサイトでは「良い本ではあるものの決して万能ではなく、やはり専門家のアドバイスに従って、人それぞれの症状にあわせたステップを踏むべきだ」といったコメントが載せられていました。

実際のところ、個人的にはこれらの本にずいぶんと助けてもらい、出会えたからこそ何とか乗りこえてこれた…と本当に感謝しているのですが、僕の周囲の人で同じように「悩みを抱えている人」には薦めましたが、受け入れられてもらえなかったのも事実です。

この本のやり方がその人にあっているかどうかだけではなく、本を読む行為そのものが、そういう心理状態の場合簡単ではないことも多いのかもしれません。



この本の通りに進めば、患者さんが一人でも認知療法をしていくことができる本。

専門家向けではないだけに、専門用語は日常用語に置き換えられ、シンプルですっきりと分かりやすく書かれている。

説明文も簡単なので、一般の人が読んでもほぼ100%理解することが可能。

値段も安めなので、うつや不安で困っている人は是非一度読んでみると良いだろう。









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posted by ホーライ at 01:41| 北京 | うつ病を治すための本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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